先生の宗匠方のほめ方では足りないので、これは俳句ではなく、人間、文学、といふ立場からとりあげる必要があり、昭和の文学史に
逸してならぬ作品だと思つてゐるのだ。
なまじいに助手を雇うと、仕事は容易であるが、助手の個性に左右されて、目的を
逸しはしないか、と考えたからである。
私は、他の委員の意見を聴く機会を
逸したため、単独の判断で、予選を通過した九篇の作品のうち、「ガラスの靴」を推すことにした。
そしてその話を今だに忘れていないが、人名や地名は今は既に林間の焚火の煙のように、何処か知らぬところに
逸し去っている。
それを、あの程度まで
逸して、どこに、俳優としての面目があらう。
私は、もう十年以来、演劇に関する意見を発表して来たが、それらは常に時流の眼から
逸し去られてゐたやうである。
然し、日本文壇の此の過った新傾向は、実は常軌を
逸した従来幾多の新芸術運動の浅薄きわまる新らしさが、人に新らしさの本質を疑わしめた罪による。
その後すぐ、吉田署長さんは、たしか県の刑事部長か何かに栄転なされたので、吉田さんに僕が公開状を書く機会を
逸して了つて、未だに残念に思つてゐる。
そして其話を今だに忘れてゐないが、人名や地名は今は既に林間の焚火の煙のやうに、何処か知らぬところに
逸し去つてゐる。
彼はまさに「私などよりは遙かに傑れた人々がたくさんいるのにちがいない」と予期したとおり、最も傑れた詩人の一人を
逸したわけである。