中でもこの私なぞは、大殿様にも二十年来御奉公申して居りましたが、それでさへ、あのやうな凄じい見物に出
遇つた事は、ついぞ又となかつた位でございます。
沼南のような多忙な政治家が日に接踵する地方の有志家を撃退すると同じコツで我々閑人を
遇するは決して無理はない。
愛されつつ軽んぜられるといふ結果は、俳優にも世間にも罪はあつたが、主として、政治的権力がこれを
遇するその方法に大半の罪があつたと云へるであらう。
社会的地位の上下などで相手を
遇するやうなことは絶対にせず、女中には必ず「さん」づけをするといふやうなやり方にもそれが現れてゐた。
何んでも妻君の顔色が曇つた日は、この一校の長たる人の生徒を
遇する極めて酷だ、などいふ噂もある位、推して知るべしである。
何んでも妻君の顏色の曇つた日は、この一校の長たる人の生徒を
遇する極めて酷だ、などいふ噂もある位、推して知るべしである。
一人が小皿の縁を箸で叩きつけて、「一體社では我々紳士を
遇するの途を知らん。
久しぶりに窮屈な制服を着て、学校へ行つたら、正門前でやはり制服を着た成瀬に
遇つた。
わたしの家と申しましても、三度目の火事に
遇つた後は普請もほんたうには参りません。
われには唯※酒をあてがはば、細君や子供を相手に、面白く飮むべきに、我れを
遇することをつとめて、本職の執筆の約を破るとは何事ぞやといふ。