爽な心持に、
道中の里程を書いた、名古屋扇も開くに及ばず、畳んだなり、肩をはずした振分けの小さな荷物の、白木綿の繋ぎめを、押遣って、
——近頃は、東京でも地方でも、まだ時季が早いのに、慌てもののせいか、それとも値段が安いためか、
道中の晴の麦稈帽。
神楽坂辺をのすのには、なるほど(なし)で以て事は済むのだけれども、この
道中には困却した。
日の長い時分ですから、
道中は楽でしたが、旧暦の五月ですから、日のうちはもう暑いのに少し弱りました。
かくて
道中、事も起こらずに増上寺へお着きとなれば、もうあとはたわいがないくらいでした。
道中つつがのうございまして、祝着至極にござります」
道中半ばに駕籠をとめて釣を催すなぞは、先ず十万石位の味わいじゃ。
おのれやれ、死んで鬼となり、無事に
道中はさせませう、魂が附添つて、と血狂ふばかりに急るほど、弱るは老の身體にこそ。