かつて一たび史家の為に地獄に落とされし仏教の新たに娑婆に
還りたるを思へば、卿らが軽挙して天上界に浮かばせんと勉むるものも、遂には再び下界に沈み来るべし。
いざなみのみこと・たまよりひめの
還りいます国なるからの名と言ふのは、世々の語部の解釈で、誠は、かの本つ国に関する万人共通の憧れ心をこめた語なのであつた。
村から半道も、木馬路を上つて、一つ家に訪ねた故老などの、外出
還りを待つ間の渋茶が促した、心のやすらひから。
形ばかりの竹を縄搦げにした欄干もついた、それも膝までは高くないのが、往き
還り何時もぐらぐらと動く。
曾て七年の月日を小諸の山の上に送つたことのあるわたしが、東京への往き
還りに、あの上州の山々を汽車の窗から望んだことも忘れがたい。
旅だから、よしも
還り入る家はあるが、此が生涯だつたらどうする。