そしてさういふ
金物製品ばかりでなく、すべての物価がどんどん高くなるから、自然みんなの生活費も足りなくなるわけである。
それから其の
金物屋さんで、名前は云へないが、是々の炭屋が有りましたかと聞くと、成程塩原多助といふ炭屋があつたさうだが、それは余程古いことだといふ。
佳い締り
金物と見えて音も少く、しかもぴったりと厳重に鎖されたようだった。
「鐘一つ売れぬ日は無し江戸の春」と其角が吟んだ
金物問屋の戸は早閉ぢて軒下に置いた大きなつり鐘を月が明るく照らしてゐた。
金物と云ってもやはり本物で、金は慶長小判、銀は二朱銀を用いていましたから、あの小判が一枚あればなぞと涎を流して覗いているのもある。
火にかけて、魚の上を
金物のなべぶたで覆うと、とてもうまく蒸し焼き風に火が通って、まちがいなく焼ける。
僕はこの
金物の柳橋の欄干に直接明治の味を感じるのだが、これは工芸部門の専門的な穿鑿から見ても、われわれ一個の独断なりカンジなりには堕ちないやうである。
彼は生れてやっと、一年たつやたたずで、もう、ある
金物行商人の手に売られ、そこで、思い出すもおそろしい生活を強いられたのでした。