独り呟き、独りうなずいて、彼女は階段を上りかけたが、突然中途で、
釘づけにされたように立ちどまった。
余の領内に内乱を策し、余を
釘づけにしてそのヒマに西下をはかり天下を掌握しうるものと考えている。
いや、正しくいえば、その洋酒の壜にぶら下げられた値段札の数字に
釘づけになっていたという方がいいだろう。
彼の、どんよりした眼は、今しも出てきた厳しい監獄の大鉄門のうえに、しばし
釘づけになった。
彼は、ものに憑かれたように、五分間というものはその紙面に
釘づけになっていた。
「まあまあ、よい井戸があるのに
釘づけになっていておしいわね。