背の低い、血色の好い、どことなく
鈍重と云ふ感じを起させる、豚のやうに肥つた男である。
ジョーンの方は人のよさそうな、少し
鈍重な感じがする男であった。
それが少しも
鈍重な感を与えぬばかりか、弾力ある兇猛な力を感じさせる。
鮎の肉とはちがって、これはもちもちとした
鈍重な舌ざわりで、しかも、その中に言いようもなく淡泊で、調子の高いものが含まれている。
どっちかといえば、内気な、
鈍重な、感情を表面に表わすことをあまりしない、思想の上でも飛躍的な思想を表わさない性質で、色彩にすれば暗い色彩であると考えている。
自分ながら持って生まれた怯懦と牛のような
鈍重さとにあきれずにはいられない。