勝国手と立花画師との他は、皆人足で、食糧を持つ他には、道開き或いは熊避けの為に、手斧、
鋸、鎌などを持っているのであった。
渋々捨てて、新しきを、また別なるを、更に幾度か挽いたれど、
鋸につきたる炭の粉の、其都度雪を汚しつつ、はや残り少なに成りて、笹の葉に蔽はれぬ。
おいぼれとただ呼ばれる老人は
鋸を曲げながら弾いていろいろなメロディを出す一つの芸を渡世として場末のキャフェを廻っていた。
鋸で、手と足を一本ずつひき落して、最後に首をひくというのもある。
一ツの
鋸でも、素人といふものは、使つてへらすより、扱ひ方が悪くて、無用のものにして了ふ方が多い。
うっとりとした晩春の空気を驚かして西隣に在る製板所の丸
鋸が、けたたましい音を立てて材木を噛じり始めた。
それを両腕鮮血にまみれながら、
鋸でごそごそひき切る。
一輪車が咽ぶその反対の方向では、白楊の丸太を喰うマッチ工場の機械
鋸が骨を削るようにいがり立てた。
鋸で立っている樹を伐り倒すということは面白味のあることだった。