何故もっと早くこのことに気がつかなかったのか、
間抜けめと自分を罵ったが、しかし、結婚は少くとも校長級の娘とすることに決めていた筈であった。
「上海へ来て、青※のことを知らないような君だから、重要書類を紛失するような
間抜けたことをやるのさ」
なるほど、私だつて作歌の時にんでなく、むを書く位の事はよく知つてゐたのに、なぜそんな
間抜けな事をきいたものか、うつかりものがすつかり恐縮した。
「陰気坊主! お化け!
間抜け! 弱虫! 意地わる! 気狂ひ! トマト!」
異様に
間抜けた呻きごえがもれるばかり、およそ死の荘厳というものがみじんもないから、見物の信徒もうんざりしてしまう。
口を開いて見るは大馬鹿者、ゲラゲラ笑うはなお
間抜け、渋面つくるは厭な奴、ちんと穏しく見る人にはこっちから褒美を出してやる。
そしてこの一見
間抜けな日本の憂愁時代に、いかに真理の透徹性と純潔性を貫らぬかせたらよいか、私は今後共そのことに就いて民衆とともに悩むであらう。
しかし、私とてももし若い異性を連れて歩く時は、やはり
間抜けた顔をするかも知れない。