私は
階上の書斎から硝子戸越しに朝夕その眺めを楽しんでゐる。
家の中は虫干のやうに
階上にも階下にも、いろいろな着物が吊り下げてある。
とある八尋殿は、構への上からは殿であるが、様式からいへば、
階上に造り出したかけづくりであつた、と見て異論はない筈である。
五月がきて東京の西洋料理店の
階上にさはやかな夏帽子の淡青い麦稈のにほひが染みわたるころになると、妙にカステラが粉つぽく見えてくる。
あちらでは震災で半壊はしても、それは子供があるいても揺れてゐた
階上の生活ではあつたが、極めて気安く季節の風と光とを受け入れてゐた。
またアパートに住んでいるとして、
階上又は階下の部屋に、この恐るべき柱時計めが懸っていたとしたならどうであろう。
その階下の幾部屋かを工場に、
階上の二間を主人夫婦の居室に充ててゐる。
室内の歩行に杖を用ひず、
階上への上り下りにも、さまで脚のだるきを感ぜず。
この会は京都の各派の先生方からお弟子さん達まで一丸とした会で、殊に新年大会には皆きばって出品され、
階上も階下も一杯掛け並べられるという盛況でした。
『ああ、さう!』とうなづきながら、廊下に出て、
階上に向つて大きな聲で『日本の石川君が來たから、降りて來なさい!』と怒鳴つた。