それから
雪白のだぶだぶとしたズボン、利休鼠のお椀帽。
これを読まされると、自分はもう堪らなくなる、ふと目を挙げて「北に遠ざかりて
雪白き山あり……」……、往きたいなあと、拳に力を入れて、机をトンと叩いた。
幾個かの皿すでに洗いおわりて傍らに重ね、今しも洗う大皿は特に心を用うるさまに見ゆるは
雪白なるに藍色の縁とりし品なり。
恰かも高価なダマスクス産の
雪白のモスリンを懸けたやうに、月光が山々の起伏したドニェープルの沿岸をつつむと、山蔭はひときは遠く松柏の森の方へ遠退いた。
夫人は髪の毛に鏝をかけ、雀の巣のようなモヤモヤの中から
雪白の歯を露わしているが、著物は支那服で……」