秋の赤蜻蛉、これがまた実におびただしいもので、秋晴の日には小さい竹竿を持って往来に出ると、北の方から無数の赤蜻蛉がいわゆる
雲霞の如くに飛んで来る。
が、如何にも「
雲霞、あと遠山に越えなして/\、いく関々の道すがら、国々過ぎて」来たやうに、肉づきの悪い青年だつた。
秋の赤蜻蛉、これがまた実におびただしいもので、秋晴れの日には小さい竹竿を持って往来に出ると、北の方から無数の赤とんぼがいわゆる
雲霞の如くに飛んで来る。
雲霞のような味方の大軍に対して、戦った所が、仕方はありません。
其時共は餘程面白次第に而、東湖先生も至極丁寧成事にて、彼宅へ差越申候と、清水に浴候鹽梅にて心中一點の
雲霞なく、唯清淨なる心に相成、歸路をわすれ候次第に御座候。