かうしてフグの胃袋に就て、肝臓に就て、又臓物の一つ/\に就て各々の訓戒を残し、自らは十字架にかゝつて果てた幾百十の
頓兵衛がゐたのだ。
という委細の談を聞いて、何となく気が進んだので、考えて見る段になれば随分
頓興で物好なことだが、わざわざ教えられたその寺を心当に山の中へ入り込んだのである。
そう、六キロメートルも行けばいいが、それに大して賑かではないけれど、近頃
頓に戸口が殖えてきた比野町という土地がある。
左様な理由ゆえ道具係という奉公人がありますが、此の奉公人が
頓と居附きません。
といふ委細の談を聞いて、何となく気が進んだので、考へて見る段になれば随分
頓興で物好なことだが、わざ/\教へられた其寺を心当に山の中へ入り込んだのである。
雫の餘波、蔓にかゝりて、玉の簾の靡くが如く、
頓てぞ大木を樹上つて、梢の閨を探り得しが、鶴が齊眉く美女と雲の中なる契を結びぬ。
が、小娘は私に
頓著する氣色も見えず、窓から外へ首をのばして、闇を吹く風に銀杏返しの鬢の毛を戰がせながら、ぢつと汽車の進む方向を見やつてゐる。
若しも太古において國民が、地震をそれほどに恐れたとすれば、當然地震に關する傳説が太古から發生してゐる筈であるが、それは
頓と見當たらぬ。