いや、
顔馴染というよりも、もっと蒼蠅い仲だったと云った方がいい。
いや、
顔馴染というよりも、もっと蒼蠅い仲だったと云った方がいい。
「オヤオヤ、これは帆村君」と、
顔馴染の大江山捜査課長が赭い顔を現した。
「旦那の家は玉子屋新道で、その屋敷の門をくぐると、
顔馴染の徳蔵という中間が玄関に立っていて、旦那がお急ぎだ、早くあがれと云うんです。
それから駅の一寸
顔馴染の車屋さんの俥に乗つて建長寺の方へ出掛けたんだ。
それに、時には古い
顔馴染に出喰はすこともある——祖父は随分よく人に知られてゐたから。