空は底深く澄み、太陽は冷めて黄ばみ、木の葉は薄く色づく、野末を渉る
風さへも足音を秘めて忍び寄る。
清水晴
風さんの『うなゐのとも』という玩具の事を書いた書の中にも、ベタン人形として挙げてあるのはこれで、肥後熊本日奈久で作られます。
尤もこの春ひどく疲れて豊島与志雄さんを訪ねて十番碁をやり常先に打ちこまれ、国府津で泥酔して尾崎一雄とやって互先に打ちこまれ、勝ったのは村松梢
風さんにだけ。
一年の内に、雨
風さては水の加減にて、釣に適当の日とては、真に指折り数ふる位きり無し。
風さへ吹き出したのか、それとも汽車が
風を起したのか、声なき鵞毛の幾千万片、卍巴と乱れ狂つて冷たい窓硝子を打つ。
「
風さん、
風さん、あなたは世の中でいちばんえらいお方です。
その木の上の空には、あけ方の半透明な光が漂つて、吐息ほどの
風さへない。
夜はふけ月さえぬれど、そよ吹く
風さえなければムッとして蒸し熱き晩なり。
秋
風になびく尾花の末にほのめきては、親しむべけれど、川
風さむく千鳥なく冬の空にさえては、凛としてまた狎るべからず。