その他、停車場特有の貨物の匂、燻らす葉巻、ふくらかな羽毛襟巻、強烈な
香水、それらの凡てが私の疲れきつた官能にフレツシユな刺戟を与へたことは無論である。
それからその手巾には「アヤメ
香水」と云う
香水の匂のしていたことも覚えている。
悪性の病をわずらって悪臭を放ち、それを消すために安
香水の匂いをプンプンさせていたが、そんな頭の働かせ方がむしろ不思議だとされていた。
洒落た切子細工や典雅なロココ趣味の浮模様を持った琥珀色や翡翠色の
香水壜。
御傍へ添れば心持の好い
香水が顔へ匂いかかる位、見るものも聞くものも私には新しく思われたのです。
さうして又至る所に、相手を待つてゐる婦人たちのレエスや花や象牙の扇が、爽かな
香水の匂の中に、音のない波の如く動いてゐた。
「春の
香水、ヴィオレット・ド・バルム」気が利き過ぎて却って張り合いがない。
その
香水の、可愛い木箱と一緒に、クルミさんのポケットの中には、チューインガムとキャラメルがはいっている。