こういう読書家の感想ならば、文学の品格を浄化もでき、
高めもするであろう。
まさしく私はあの人と会はなかつた四年間に、あの人を夢の中の女に
高め、そして現実を諦めてゐたのであつたが、四年目にあの人の方から現れてきた。
男女の心情の交換や、愛憎が自由であり、愛慾がその本能から情操へ
高められて遊ばれ、生活されてゐた。
「それでは、ここであなたの道心を試みて、いよいよ諸人の信仰を
高めさせて見たいものです」
そしてその涯には一本の巨大な枯木をその巓に持っている、そしてそのためにことさら感情を
高めて見える一つの山が聳えていた。
子供は半睡の状態からだん/\と覚めて来て、彼を不愉快にしてゐるその同じ睡気にさいなまれながら、自分を忘れたやうに疳を
高めた。
ゆえに専門家的に漸く標準を
高めて行き、読者諸氏は本書から自由に三百首選二百首選一百首選乃至五十首選をも作ることが出来る。
しかし其の器物の生れた時代を知ることが出來たならば、其の感興は更に深められやうし、鑑賞點は更に
高められるであらう。
十五世紀に至り日本はこれを
高めて一種の審美的宗教、すなわち茶道にまで進めた。