あはよくば腕をみがいて、東京の連中に一泡吹かしてやらうといふ遠大な
魂胆もある。
凡そ退屈なるものの正体を見極めてやらうと、そんな大それた
魂胆で、私はこの部屋に閉ぢ籠つたわけではないのです。
イノチをはつて何をまうけようといふ
魂胆があるでもない。
それを私が「道鏡」と題したのは、ジャーナリズムに媚びたので、いはば商品としての題名、私はいささかサモしい
魂胆であつたに相違ない。
この女の取柄といへば、あくせくお金を儲けようといふ
魂胆のないことで、酒が入手難になり営業がむずかしくなると、アッサリ酒場をやめて、野村と同棲したのである。
そして何百人だか何千人だかの妾の中に私のことを考へて可愛がつてやらうぐらゐの
魂胆なのである。
戦争未亡人を挑発堕落させてはいけないという軍人政治家の
魂胆で彼女達に使徒の余生を送らせようと欲していたのであろう。
何んの目的のために、こんな貸家を宿泊所に潰したのであるか、その坊主の
魂胆は言わずと知れている! 窓ガラスは破れ放題だし、畳はぼこぼこにほぐれていた。