黒鯛や
鱸などの小物は別として、東京湾口には凄いやうな大物も遊びに来たり居付いたりするのである。
『こは、一番しくじつたりとは思へども、「否々、慥に糸女にて釣りしなり、今日は水濁り過たれば、小
鱸は少しも懸らず、鯰のみ懸れるなり。
鱸その他の川魚を漁する人の、豊島の渡よりこゝの渡にかけて千住辺りまでの間に小舟を泛めて遊ぶも少からず。
しかし、
鱸が最も好んで泳ぎまわる場所は、瀬の落ち込みから下流だ。
殊にここの
鱸は、亡き父と二年続けて試みて想い出が深いのである。
と、尾生の鼻を掠めて、
鱸らしい魚が一匹、ひらりと白い腹を飜した。
料理界にてこそ、鯉は川魚中の王なれ、懸りて後ちの力は
鱸の比に非ず。
目の下二尺の鯛が釣れようと、三年の
鱸が食いつこうと、あるいはまた間違って糸蚯蚓ほどの鮠(註に曰く、ハエをハヤというは俗称なり。
時節によって
鱸を釣ろうというので、夕方から船宿で船を借りて、夜釣をして居る人がある。