白い
鳥の羽で製つた団扇を、時々大事さうに使つてゐる容子では、多分、儒者か何かにちがひない。
お
鳥は玄鶴の寝こまない前から、——七八年前から腰抜けになり、便所へも通えない体になっていた。
天に在っては比翼の
鳥、地に在っては連理の枝、——ああ、あの約束を思うだけでも、わたしの胸は張り裂けるようです。
清八は得たりと勇みをなしつつ、圜揚げ(圜トハ
鳥ノ肝ヲ云)の小刀を隻手に引抜き、重玄を刺さんと飛びかかりしに、上様には柳瀬、何をすると御意あり。
三重子もこう言う
鳥のように形骸だけを残したまま、魂の美しさを失ってしまった。
黄色い芭蕉布で煤けた紙の上下をたち切った中に、細い字で「赤き実とみてよる
鳥や冬椿」とかいてある。
しかし庭
鳥と思つたのはKさんにはほんの一瞬間だつた。
が、蝶
鳥の几帳を立てた陰に、燈台の光を眩しがりながら、男と二人むつびあふ時にも、嬉しいとは一夜も思はなかつた。