吉五郎は万吉と清七と三人づれで忠蔵の店へ行って、
鼻紙袋や烟草入れなどを注文した。
まあそのときは、
鼻紙に金でもって頭文字でも入れることですネ。
按吉は教室へ這入ってくると、やがて大きな帽子をぬぎ、ハンケチを持たないから、ポケットから
鼻紙をだして、クリクリ坊主をふくのであった。
もしそれ、スターのプロマイドに熱狂し、
鼻紙の類に随喜する徒輩にいたつてはただ単に俳優のファンたるにすぎず、これはもはや映画のファンと称することさえ分に過ぎる。
するとその中には、「御送付下されし小包の包み紙は細かく切って
鼻紙といたしました。