「ところが、
いっこうバカだかりこうだか見当がつかねえんですよ。
ご当人たちは
いっこう冗談のように話し合っていましたが、最後の新墓うんぬんといったことばが、ちらり右門の耳へはいったとたんです。
江戸じゃ
いっこう聞かねえ話なんだが、鼻の頭に梅干しなんかを張っておいたら、ねずみがとれるんですかねえ。
「だって君、この汽船はけさ九時に出港するんだという話だったが、ほら、もう十一時になるというのに
いっこう出る気配がないじゃないか。
馮兵歩は、そこで慌てながら、大辞令の意味をいろいろと詳細に説明をして博士に聞かせたが、博士は
いっこう合点のゆかぬ面持であった。
第一の種類に属する人は、その人の生活全部が純粋な芸術境に没入している人で、その人の実生活は、周囲とどんな間隔があろうと、
いっこうそれを気にしない。
「どういたしまして、
いっこう結構じゃございません。
いまだに、あの時のことを考えると、はがきへどんなことを書いたんだか、
いっこう判然しない。
こんなことは彼の執務には
いっこうさしつかえなかったのである。
第一パンはよく焼けているのに、鼻は
いっこうどうもなっていない。