「蟹のお角という女は、だんだん調べてみると札
付きの莫連もので、蟹の彫りものは両腕ばかりでなく、両方の胸にも彫ってあるのです。
かれは町奉行
付きで、寺社奉行の方には直接の係り合いはないのであるが、それでも自分の役目として、今度の奇怪な出来事に相当の注意を払っていた。
うっかりしていれば自分らの眉へも火が
付きそうなので、ふたりは火の粉の雨をくぐりながら、互いの名を呼んだ。
岡っ引なんていうものは、とかくいやな眼
付きをして、なんだかぎすぎすした人間が多いのですが、この甚五郎は商売柄に似合わず、人柄がおとなしやかに出来ている。
大名旗本や大町人のところに出入り場を持っていて、箱書
付きや折紙
付きというような高価な代物をたくさんにたくわえているのであった。
死に神か通り魔か、狐か狸か、なにかの妖怪が自分に
付きまつわって来るのではないかと思うと、文字春は俄かにぞっとした。
陳者、今年三月七日、当村百姓与作後家篠と申す者、私宅へ参り、同人娘里(当年九歳)大病に
付き、検脈致し呉れ候様、懇々頼入り候。
とお母さんが始めて気が付いたけれども、気の
付きようが遅かったから、もう間に合いませぬ。
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付きの句の表記は『尾崎放哉全句集』に基づく。