おとなしいのは、それよりもむしろこたへる
くすくす笑ひです。
妻は僕の口真似をしながら、小声に
くすくす笑っていた。
まだ話し出さない前から、老人は自分ひとりで
くすくすと笑い出した。
ある日のこと、達ちゃんは、夕飯のときになにか思い出して
くすくすと笑いました。
もう一人が
くすくす笑ひ出す——たしかそんな筋だつたと思ふ。
ええ、さうです」とか何とか云ひながら、
くすくすひとり笑つてゐた。
隣では成瀬がノオトをとりながら、時々自分の方を見て、
くすくす独りで笑つてゐた。
そしてその邪魔物が俄に取り除けられて、
くすくす笑ふ聲が聞こえて來た時には、彼は一層氣まりが惡くなつた。