静かな夜の部落の森に、歌声、蛇皮線の響、人々の
さざめき合ふ声が反響して、何時までも止まなかった。
静り返っていた一座は、次第に
さざめき来ったのであった。
すでに何回かの勝負があったらしく、喊声や、落胆の溜め息や、傍観者の笑い
さざめきなどが、ごっちゃになってそこから渦巻き昇っていた。
彼等は彼女を迎へると、小鳥のやうに
さざめき立つて、口口に今夜の彼女の姿が美しい事を褒め立てたりした。
よくは見極められぬが、月光に育まれた奇異な草木の花葉から蒼白い
さざめきの聲が起る。
そして青年(青年は名を古藤といった)が葉子に続いて飛び乗った時には、機関車の応笛が前方で朝の町のにぎやかな
さざめきを破って響き渡った。