物質的の報酬のないところには些の努力をも惜しむといふほど、私どもはそれほど
さもしい心は持つてゐないつもりである。
が、そうすると、
さもしいようだが、作者の方が飯にならぬ。
一體日記をつけて、自分達の名を後世に殘さうと思ふことからして如何にも
さもしい根性だ」と云つてゐる。
秀吉の御感を蒙って、高値お買上げの栄を得ようか、お目に止まったに付け込んで、献上して知行増しを受けようかと、そういう
さもしい心から、飾り立て並べたものらしい。
動物の非利己的な自己犠牲的な愛のなかには、単なる人間の
さもしい友情や薄っぺらな信義をしばしば嘗めたことのある人の心をじかに打つなにものかがある。
尤も地もの張と俗に號する徒は、懷中の如何に係はらず、恁うした
さもしい料簡と、昔から相場づけに極めてある。