浪打際は綿をば束ねたような白い波、波頭に泡を立てて、どうと寄せては、
ざっと、おうように、重々しゅう、飜ると、ひたひたと押寄せるが如くに来る。
「どうだい、あの腰つきは」「いい気なもんだぜ、どこの馬の骨だろう」「おかしいねえ、あらよろけたよ」「一そ素面で踊りゃいいのにさ」——
ざっとこんな調子である。
今まで焼けつくように日がかんかん照っているかと思うと、忽ちに何処からか黒い雲が湧き出して来て、あれという間も無しに
ざっと降ってくる。
鼈四郎は今度は匙をナイフに換えて、蔬菜の群れを鉢の中のまま、
ざっと截り捌いた。
肩から背へかけて、あんぐりと走った傷の幅は一寸、長さは
ざっと一尺二寸、尺にも足らぬ匕首では、切ろうにも切りようのないみごとな袈裟がけの一刀切りでした。
もっとも、松本へ用があって立ち寄ったのだと言えば、それまでで
ざっと済む。
と言って、僕はコロメルからの手紙の内容と大会の性質とを
ざっと話した。