六三郎は縁側の柱にもたれて、庭の鶏頭の紅い花をじっとながめていましたが、いつか袂を顔にあてて、女の児のように
しくしく泣き出しました。
しくしく下腹の痛む処へ、洪水のあとの乾旱は真にこたえた。
そんな時、私は
しくしくと泣き出して、乳母の乳房に耳を押しつけた。
真吉は、たまらなくなって、
しくしくとそでに顔をあてて泣いたのでした。
また、奉公をしてからも、夢の中で、お母さんと話をして、目がさめてから、
しくしくと泣いたこともありました。
そのことが、頭にあるとみえて、いま大きな犬に追いかけられた夢を見て
しくしくと泣いていました。
その日、光治は学校の帰りに、
しくしくと泣いて、我が家の方をさして路を歩いてきました。
一雄の気分がだんだん重苦しくなって、眼の奥が
しくしく痛む日がつづきました。