ヒトミは、まぶしく光るやけ野原を見まわして、
ため息をついた。
そしてそのたびに、自分の上におちて来た運命のふしぎさに、
ため息する。
中村は
ため息を洩らしながら、爬虫類の標本室へ引返した。
内供は、こう云う時には、鏡を箱へしまいながら、今更のように
ため息をついて、不承不承にまた元の経机へ、観音経をよみに帰るのである。
「いいえ、
ため息をおつきになったりなんかして、きっと何か御心配なことがあるのでしょう。
」と弱い声で言ってまたも咳をしてホッと
ため息をついた。
「いいかい君、」と、私は持ち主の樋口に聞きますと、樋口は黙ってうなずいて軽く
ため息をしました。