そして、その冷たい靄は
はるかの遠方から押し寄せてくる暖かいものを、そこで食い止めていた。
いわゆる文化民俗の発達史が跨がっている一万年足らずの間における進歩はもちろん有史以前のそれに比べては
はるかに著しいものにちがいない。
それに詩人にしても、抒情詩から、叙事詩へ移ることが、
はるかに詩人の感情発展のすがたとしても、詩から小説へ移るよりもかなり必然的なものが多いのです。
その霧が目の前にあることが分っている人には、恐ろしくもなんともないが、それを知らない人はその巨人の姿が
はるか向うの空間にあると思うと、莫迦に大きく見誤るのだ。
それから二人とも十字を切り、
はるかに洞穴を礼拝する。
(それは母胎を離れた後、「唯我独尊」の獅子吼をした仏陀よりも
はるかに手よりのないものである。
この国の面積と人口とはとてもわが日本国に及びませんが、しかし富の程度にいたりましては
はるかに日本以上であります。
昔この高台から
はるかに西を望めば、浪華の海に夕陽の落ちるのが眺められたのであらう。