別荘の袖垣から、斜に坂の方を透かして見ると、連の浴衣は、その、
ほの暗い小店に艶なり。
永き夏の陽も、西に没して空の茜色も消え去り、行く手の
ほの暗い東天低く、宵の明星がきらめき光っている。
門のなかはアカシヤと楡の木立が自然のままに生い育って、その樹間は
ほの暗いほどの雑草に埋れていた。
ところがそのおり、岬のはずれ——砂丘がまさに尽きなんとしているあたりで、
ほの暗い影絵のようなものが蠢いていた。
ほの暗い谷(3)を歩みながら、私は世の人々の同情を——むしろ憐れみをと言いたいのであるが——切望している。
夕靄が烟るように野末にたち罩め、ものの輪廓が、
ほの暗い、はるか遠方にあるように見えた。