イプセンと聖書、イプセンは常に聖書だけは座右を離さなかったというから、これも
まんざら関係がないでもないと思う。
唯この本の初めの部には草木に関する考証幾篇かが有り、其内容にはこの表紙の
まんざらそぐはぬこともあるまいと自ら慰めた。
膝で豆算盤五寸ぐらいなのを、ぱちぱちと鳴らしながら、結立ての大円髷、水の垂りそうな、赤い手絡の、容色も
まんざらでない女房を引附けているのがある。
それ等の者を語ったり観たりするのも、流行る流行らぬは別として、
まんざら面白くないこともあるまい。
しかしまだそのほかにも
まんざら用のない体ではなかった。
実あ、だんなのめえだがね、あっしだっていざとなりゃ、これでなかなか男ぶりだって
まんざら見捨てたもんじゃねえでがしょう。
いえ、同商売じゃありませんが、
まんざら縁のない方でもないので……。