だが、それよりも先程から彼の心の一隅にはどうしても払いのけることの出来ない黒い雲の
わだかまりがあるのだ。
さてこそと堂内へはいって調べると、壁画は色彩うるわしく描かれてあったが、約束の期日よりも一日早かったために、西北の窓ぎ
わだけがまだ描き上げられずに残っていた。
交番も焼けてしまって、わずかに残ったのは立番所の箱小屋の外が
わだけで中にはお巡りさんの姿もない。
イワノウィッチは、今朝、なんの
わだかまりもない晴々とした心持であった。
けれど、坂田と東京方棋士乃至将棋大成会との間に
わだかまる感情問題、面目問題はかなりに深刻である。
明日の授受が済むまでは、縦令永年見慣れて来た早田でも、事業のうえ、競争者の手先と思わなければならぬという意識が、父の胸には
わだかまっているのだ。
手拭を頭に巻きつけ筒袖姿の、顔はし
わだらけに手もやせ細ってる姉は、無い力を出して、ざくりざくり桑を大切りに切ってる。
そしてこの疑問はいまだに疑問のままで心の隅に
わだかまっており容易に解けようとしない。
「……山腹は頗る傾斜が急で、おまけに巨巌は
わだかまり、大樹が茂って、時には数百メートルも下って工事の基礎地点を発見しなければならない。
私の心の優しさは仲間たちにからかわれるくらいにき
わだっていた。