エエイッ、死んでもいいや、というので、怪しき
アルコールをガブリとやってオダブツとある。
殆んど食事をとらず、
アルコールで生きているようなもので、そのくせ一時に大量は無理のようで、衰弱しきっていたのである。
たゞさえ吐き気に苦しみつゞけているのだから、眠るために
アルコールを用いることが難儀となり、いきおい催眠薬の使用が多くなった。
蓄積という点も、私は
アルコールを用いて睡ったせいか、
アルコールには溶解し易いそうで、そのせいか蓄積の害はあんまり気付かなかった。
さて楠はその日の勤務を終ったとき、帰り支度をととのえてから、ふと
アルコール漬けの拾い物の前へ行ってたたずんだ。
アルコールでねむることが、どれぐらい健全だか分らない。
いかにして無事一定量の
アルコールを胃袋におさめるか、ということは私の日々の一大念願である。
金博士は、このごろ
アルコールに不自由をしている上に、金にも困っていると見え、さてこそ極限歎息の次第と相成ったらしい。
爺やは水戸に丁寧に礼を述べて玄関口を閉め、それから
アルコール漬の若旦那さまを担いで馬蹄形に曲った階段をのぼり、そして彼の寝台の上にまで届けたのであった。
煙草のけむりは厚い窓掛けに喰い入って、重くなった頭には
アルコールが廻っていた。