大巻博士が途方にくれながら温泉都市の海岸通りを歩いていると、
ポンと背中をたたいた者がある。
と唯今の御前のおおせに、恐入った体して、肩からずり下って、背中でお叩頭をして、
ポンと浮上ったように顔を擡げて、鼻をひこひこと行った。
小指の尖で、中身を
ポンと落しメリメリと外箱を壊して裏をひっくりかえすと、弦吾はポケットから薬壜を出し、真黄な液体をポトリポトリとその上にたらした。
いつかも甲吉、ひるの休みに俺の方へバットの函を
ポンと投げ出したものだ。
お払い箱というときは襟首をつままれて、腰骨を蹴られて
ポンと抛りだされるが、これも挙措動作がひじょうな誇張のもとに行われる、南米のラテン型の一つ。
すると花垣と呼ばれた武士は——その名は志津馬というのであったが、さも呑み込んだというように、
ポンとばかりに胸を打った。
此方も默つて、特等、とあるのを
ポンと指のさきで押すと、番頭が四五尺する/\と下つた。
烏や鵲が下りて来ると、彼等は身を僂めて後脚で地上に強く弾みを掛け、
ポンと一つ跳ね上る有様は、さながら一団の雪が舞い上ったようで、烏や鵲はびっくりして逃げ出す。