僕は云はば
不純なさうした憂鬱にいつも捕はれてゐる。
美男子を愛すなんて低俗で
不純なことであり、高い恋愛はもつと精神的なものだと思つたのだ。
小説にとつては、戯作性といふものが必要なので、それは小説を
不純ならしめるどころか、むしろ思想性を伸展させ、育てるものだ。
しかし乍ら我々人間の本性は、極く不自然な
不純な中にも、事實に於て微かながらもさう云ふ美しいものを持つて居る。
くするは霊の純用で、まじなふの古い形まじこるは、其
不純な活用である。
一座の俳優にあてはめて脚本を書くといふことは、なにか
不純な要素がはいるのではないかと思ふひともあらうが、別に必然的にさうなるものとは限らない。
演劇は其の性質上、さういふ
不純な、間接的な、動機に束縛され、左右され易い。
が、これも今になって考えると、その時の己の心もちには
不純なものも少くはない。
併し人が努力するといふことは、人としては猶
不純である。