神の愛、キリシトの愛、けれども愛は
不義につらなるニュアンスが強いのだから、この訳語に困惑したので、苦心のあげくに発明したのが、大切という言葉だ。
だいたい日本の道徳は、昔から
不義はお家の法度などといつて、恋愛は罪悪だといはれてゐた。
其
不義惨酷、往古ノ夷狄ト雖ドモ為ザル所ニテ、豈文明ノ世ニ出テ人ノ上ニ立ツ者ノ挙動ナランヤ。
それで、主人から
不義をいい立てられて切りつけられた時、あり合せた燭台を、早速の獲物として主人の鋭い太刀先を避けていた。
旅の恥はかき棄てと唱へて、些かも省みる処なく、平気で
不義、破廉恥を行ふ。
一の
不義は直ちに其反響を社会に及ぼすなり、而して此塲合には、社会は他の義を以て、其
不義を消すの権利あり、責任あり、これ正しき意味の復讐なり。
——彼は
不義をして伊賀を出奔し、江戸へ来て遊里などへ出入しながら、いつか近代的(当代の)大詩人になつた。
宮刑とは五刑の一で、淫刑とて主として
不義者に加へる刑罰であるが、
不義者以外の重い犯罪者にも宮刑を施した。
國民ノ大多數ハ生活ノ不安ニ襲ハレテ一ニ歐洲諸國破壞ノ跡ヲ學バントシ、政權軍權財權ヲ私セル者ハ只龍袖ニ陰レテ惶々其
不義ヲ維持セントス。
第一には何故正しく、名分あるものが落魄して、
不義にして、名正しからざるものが栄えて権をとるかということであった。