此方は、自分が婦人病から不為合せな目を見られたので、
不運な人々の為に悲願を立てられ、婦人の病気は此神に願をかければよい、といふ事になつてゐるのである。
享保三年の冬は暖かい日が多かったので、
不運な彼も江戸入りまでは都合のいい旅をつづけて来た。
柿丘秋郎が、こんな妖花に係るようになったのは、彼の
不運ともいうべきだろう。
そこで屋内へ避けた六条少尉は、
不運というか細心の注意を缺いていたというか、その下敷となった。
さてこそ虎松は、捜索上の
不運を慨くよりも前に帯刀の辛辣なる言葉を耳にするのを厭がっていたのであった。
この実家で、一七〇五年九月八日の午前に、バーグレーヴ夫人はひとりで坐りながら、自分の
不運な生涯を考えていた。
時によると
不運な若者は、焼太刀のように日を照り返した河の中へ転げ落ちて、眩ゆい水煙を揚げる事もあった。
ただ黙ってゆき違うばかりで、
不運の者はその一刹那におそろしい災難に付きまとわれるのであった。
彼は古いユグノー(2)の一家の子孫で、かつては富裕であったが、うちつづく
不運のためすっかり貧窮に陥っていた。