こう云って安福軒が案内したところは山の
中腹の崖下の小さな家であった。
集落から六、七町(一町は約一〇九メートル)ほどの丘の
中腹に小学校があった。
と、その襞※の
中腹にこの道路の延長があるのか、一台の華奢なクリーム色の二人乗自動車が、一足先を矢のようにつッ走って、見る見る急角度に暗の中へ折曲ってしまった。
軽井沢あたりのやうな空気の乾く高原地へ行つたともちがひ、わたしたちは山の
中腹の位置に身を置いて、思ふさま、うち湿つた山気を呼吸することが出来た。
崖の
中腹には、小使の音吉が弟を連れて来て、道をつくるやら石塊を片附けるやらしていた。
そして、
中腹の岩に穴をうがち、爆薬を仕掛けるのだ。
しかし、再び年少の頃の私は、そのやうな故事来歴は与り知らず、ただ口繩坂の
中腹に夕陽丘女学校があることに、年少多感の胸をひそかに燃やしてゐたのである。