何にも事情を知らない私たちは、艙口を上りながら、互に「どうしたのだらう」と云ひ
交はしました。
陳は人通りに
交りながら、何度も町の空の星を仰いで見た。
彼は人ごみに
交りながら、ふとその汽車を降りる人を眺めた。
それに
交つて、好く響く、面白げな、若い女の声でかう云ふ。
その不思議がる心の中には、妙に嬉しい感情と、前とは全然違つた意味で妬ましい感情とが
交つてゐた。
彼の声にはこの瞬間、皮肉な調子が
交つたやうであつた。
池には南京藻が浮び始め、植込みには枯木が
交るやうになつた。
堤の下で「お乘なさい」と言つたぎり彼は舟中僕に一語を
交へなかつたから、僕は何の爲めに徳二郎が此處に自分を伴ふたのか少しも解らない、然し言ふまゝに舟を出た。