幸福は恋愛個
人主義によつて遂行せられるといふ理論は歴史と
人種誌と自然との等しく加担せぬところである。
凡そ現代の如く個
人主義がその完全な発想をなすの機会を失ひ、健全なる状態に於て自から肯定する事を得ざる時代は
人類の歴史以来初めてのことなのではあるまいか。
これが群集と個
人と、真の民主々義者と個
人主義者と、或は男と女との如何を問はず悉く何等の反抗衝突なしに握手し得る根底土台であると私には思はれる。
墨子の流れを汲む世界的愛他主義が流行るかと思えば一方楊朱の一派は個
人主義的享楽主義を高唱した。
処がです、此の、個
人主義の、この戦闘的の世の中に於て、どこに
人の慈愛が求められませうか。
個
人主義への逆戻りだと笑ふものがあつても、私は、せめて、「天分」の問題だけは、個
人主義的解決にまかせたい。
十九世紀末葉においてフランスの劇壇は、かの自由劇場式自然主義劇の跋扈と北欧風個
人主義劇の侵入によつて『民衆を楽ませる劇』の極度な不振を招いた。
その原因は、統一された中世紀の文明崩壊に次いで、極度の個
人主義が跋扈したからである。
この現象は、いろいろな意味にとられるが、根本的には、純小説をしつかり支へてゐた個
人主義、ないしは個
人性が、それだけ崩れてきたのだとみられる。
これは、個
人主義的な立場からの一般的戦争反対である。