「せっかく、救けて頂いたようなものの、行先の覚
束なさ、途中の難儀、もう一足も踏み出す勇気はございません。
そう云う何分かが過ぎ去った後、女は仕事を続けながら、突然、しかし覚
束なさそうに、こう誰かへ声をかけた。
もう少し詳しい事は、翌日の新聞の十把一
束と云う欄にのせてある。
私は雨に濡れながら、覚
束ない車夫の提灯の明りを便りにその標札の下にある呼鈴の釦を押しました。
この集の如きも、或は諸君の名によって——同人の一人の著作として覚
束ない存在を未来に保つような事があるかも知れない。
「腰にお牢屋のかぎ
束をぶらさげていらっしゃるじゃねえか。
花火そのものは第二段として、あの安っぽい絵具で赤や紫や黄や青や、さまざまの縞模様を持った花火の
束、中山寺の星下り、花合戦、枯れすすき。
芭蕉はさつき、痰喘にかすれた声で、覚
束ない遺言をした後は、半ば眼を見開いた儘、昏睡の状態にはいつたらしい。
さうして覚
束ない薄明りの中に、引き金の具合を検べ出した。