どこかへ行つて書いて来るつもりだから……」と、朝由井ヶ浜の小学校へ出て行く
伜のFに声をかけたが、「いゝよ」とFは例の簡単な調子で答へた。
ほかには頼む親類や友達もなかったので、取り残された女房は
伜の六三郎を連れて裏家住みの果敢ない身となった。
もっとも、三歳であったから竿は持たせなかったが、幼い
伜は奥利根の寒風の河原を、よちよち歩きながら、私の釣りする姿をながめていた。
「大坂の小
伜を討つに、具足は不用じゃわ」といって、白袷に茶色の羽織を着、下括りの袴を穿いて手には払子を持って絶えず群がってくる飛蠅を払っていた。
伜はもう四十で、ときどき孫をつれて来ますが、孫じゃあ又あんまり若過ぎるので。
ふと土間を見ると、鎚を持つて何やら打つてゐた
伜の長次が、親の憂を身に引取つたやうな眼付で、
角右衛門の主人の
伜杉野大三郎もことし十三で吟味の願いを出した。
彼は、
伜の市平のことについては、ただそればかりが気になっているのであった。
それは金限の御家人の
伜で、宮河雪次郎と宣る男で後年号を雪斎と云った。