「おや、お米
坊も一緒に留守番をしていておくれだったの」
神代ながらの俤ある大天井、常念
坊、蝶ヶ岳の峰伝いに下りて来た自分は、今神河内の隅に佇んだ。
新聞記者としての収入をあてにせずともよい豪家の長男
坊のことだから、どこの家でも彼はちやほやされた。
お蝶
坊が何かこしらえて、阿母に世話を焼かせるというわけだね。
一人
坊っちになるとそろそろ腹のすいたのを感じだしでもしたか、その子供は何の気なしに車から尻を浮かして立ち上がろうとしたのだ。
河竹黙阿弥、柳下亭種員、善哉庵永機、同冬映、九代目団十郎、宇治紫文、都千中、乾坤
坊良斎などの人々である。
長「見っともねえったって、竹ン処のみい
坊の半纏を借りて来たんだ」