何れにしても、この密航に関して私にははかない思い出が一つある。
冷静なる社会的の眼を以て見れば、等しく之れ土居して土食する一ツ穴の蚯蚓※※の徒なれば
何れを高しとし
何れを低しとなさん。
之に対して官軍の方略は、敵がその
何れの策に出づるを顧みず、海陸より鹿児島を攻むるにありとした。
従って、屡々自分の頂戴する新理智派と云い、新技巧派と云う名称の如きは、
何れも自分にとっては寧ろ迷惑な貼札たるに過ぎない。
「左様、些不審ではござるが、夫れは又夫れとして
何れ千斎、研究致す事として、兎に角至急あの御僧を門外へお移しなさりませ」
且つ道庁の官吏は果して沿岸
何れの辺に屯して居るか、札幌の知人何人も知らないのである、心細くも余は空知太を指して汽車に搭じた。
然れば、娘御の命か、泥烏須如来か、
何れか一つ御棄てなさるる分別肝要と存じ候。
南は山影暗く倒に映り北と東の平野は月光蒼茫として
何れか陸、
何れか水のけじめさへつかず、小舟は西の方を指して進むのである。
長「お前さんの処は余り御無沙汰になって敷居が鴨居で往かれねえから、
何れ春永に往きます、暮の内は少々へまになってゝ往かれねえから
何れ…」
などと、
何れも浅ましく口拍子よかった中に、誰やら持病に鼻をわずらったらしいのが、げすっぽい鼻声を張り上げて、