都より下り
候女物狂ひもあの中にまじつてゐるのかも知れない。
見たばかりで、野路の樹とも垣根の枝とも、誰も気の着いたものはなかったが、初め座の定まった処へ、お才という内の姉御が、お茶聞しめせ、と持って出て、梅干も
候ぞ。
「平四郎たちまち追い至り、『老爺、老爺、小僧はどちへ行ったぞ』と尋ねけるに、伝三もとよりしたたかものなりければ、『あの道を走り行き
候』とぞ欺きける。
「唖ニ
候エバ、御筆問下サレ度、陰陽四十八占、何ナリト筆答致ベク
候。
「当奉行所にては手に余る珍事出来いたし
候あいだ、ぜひにお力添え願いたく、右折り入って申し入り
候。
お隣屋敷浮田中納言様へお移り遊ばされ
候はば、第一に世間の名聞もよろしく、第二にわたくしどもの命も無事にて、この上の妙案は有之まじく
候。
但、万一記し洩れも有之
候節は、後日再応書面を以て言上仕る可く、先は私覚え書斯くの如くに御座
候。