私は
倫理学の如き方法でこの問に答へ得るとは信じない。
大学教授某博士は
倫理学上の見地から、蟹の猿を殺したのは復讐の意志に出たものである、復讐は善と称し難いと云った。
今ではもう十年あまり以前になるが、ある年の春私は実践
倫理学の講義を依頼されて、その間かれこれ一週間ばかり、岐阜県下の大垣町へ滞在する事になった。
しかして自分もその間において哲学、
倫理学、心理学等に関する著述または翻訳を発行し、それから宗教その他の思想問題について種々意見を発表したのである。
自分の
倫理学上の理想主義はすでにその書に端緒を開いているはずである。