即、神輿又は長い棒を中心とする鉾・幣或は
偶人である。
さうした神事に使はれる
偶人が、次第に遊戯化して来る道程には、きつと、此神事演劇が梯渡しをしてゐるに違ひない。
人間であつた事も勿論あるが、ある国・ある家の神事に出る精霊役は、人形である事もあり、又鏡・瓢などを顔とした、仮りの
偶人である事もあつた。
又更に、ほんの芽生えではあるが、演劇的の要素をも持つて居り、後代になると、
偶人劇としてある程度まで、発達した形をすら顕して来る様にもなつた。
其小説の中に一箇の
偶人をやとうて、言はしめて曰く、