五ヶ国語を話してトーマス・クックの案内人を勤める伊太利男爵もあれば刺繍とピアノを教へる嫁入学校を拵へて一
儲けする波蘭伯爵もある。
しかるに、何ぞや「芥川は、あの読本で
儲けて書斎を建てた」という妄説が生じた。
「いえね、それにうちの丁太郎は自分で働いて
儲けたお金で好きな細工をやっているんですから、云うことはありませんよ。
「これは御冗談で……ぴっしりと経費を切り詰められていますので、なかなか
儲けどころの騒ぎではありませんよ。
年の暮の一
儲けをたくらんで簡単に狸算用になってしまったかと聴けば、さすがに気の毒だったが、しかし老訓導は急に早口の声を弾ませて、
けれども猫とも虎ともつかない、何か怪しげな動物になれば、古来野師の
儲けたのはかう云ふ動物恩恵である。
正義だの、人道だのということにはおかまいなしに一生懸命
儲けなければならぬ。
親がきめてくれる、生涯ひとりの男を持って、何も迷わずに子供を
儲けて、その子供の世話になって死んで行く」