「用がないからゆけよ、おれはここで
八百屋の豊公を待っているんだ、あいつおれの犬に石をほうりやがったからここでいもをぶんどってやるんだ」
節季はむろんまるで毎日のことで、醤油屋、油屋、
八百屋、鰯屋、乾物屋、炭屋、米屋、家主その他、いずれも厳しい催促だった。
村に山ほど薯があつても、町の
八百屋に薯がなければ、町の人にとつては現実に薯はないのである。
お!
八百屋が、大きな玉菜とオレンジを運んで来た。
私の巴里に送つた野菜物は、全然
八百屋の物とは味が違ふのであつた。
それらは、それらをもらった
八百屋が取りに来る明日の朝まで、空家の中に残されている。
歩行にも内端で、俯向き勝で、豆腐屋も、
八百屋も默つて通る。
お菊お新の二人も、母を助けて飯もたけば
八百屋へ使いにも行く。